宇部市の「ときわいこっと。3」に伴うグリーンスローモビリティ/2023年10月1日~10月22日の土日祝

2023年10月26日木曜日

グリーンスローモビリティ ときわいこっと。

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この記事は、「ときわいこっと。3」に合わせて運行された宇部市のグリーンスローモビリティについて解説したものです。

グリーンスローモビリティとは何か?
「ときわいこっと。3」とは何か?
…といった予備知識的なところから解説を行います!

グリーンスローモビリティとは?

グリーンスローモビリティとは、「時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービスで、その車両も含めた総称」(国土交通省Webサイトより)です。

「グリスロ」や「GSM」と略されますので、この記事でもグリスロと略すことにします。

グリスロは中心市街地や観光地の回遊性向上のため、あるいはニュータウンや離島における交通手段確保のためなど、各地域ごとの様々な課題を解決するため全国的に導入が行われています。

グリスロの車両はゴルフカートのような小型のものから、片側に小口径のタイヤが5輪もあるSF作品に登場しそうな大型のものまで様々ですが、公道を時速20km未満で走れる点、電動車である点はそれぞれ共通しています。

▼環境:グリーンスローモビリティ - 国土交通省

「ときわいこっと。」とは?

宇部市は常盤通り(国道190号線の一部区間のこと)のウォーカブル化を進めており、その整備を2026年度までに完了することを目指しています。

「ウォーカブル化」という言葉には諸定義がありますが、宇部もとい日本の「ウォーカブル化」は、中心市街地などにおいて都市空間を「車中心」のものから「人中心」のものへと改めて、都市の活力を高めようとする試みのことを指します。

ウォーカブル化に向けた具体的な方策としては、道路の車道部分を削減して歩道などを拡張することや、広場的空間やテーブルと椅子などを設けて滞在性を高めるものがあります。

「ときわいこっと。」とは、宇部におけるウォーカブル化の推進に向けた「社会実験」です。
今後に行われる予定の常盤通り再整備の前段階として、ウォーカブルな再整備内容を先取りし、本格的な再整備を行う前に課題をあぶり出すことがその主な目的です。

具体的には、国道190号線副道の一時的な歩道転用やテーブルと椅子などの設置、各種のイベント実施などを行い、それによって歩行者の滞在時間にどのような変化があるのか、また自動車の交通にどのような変化を与えるのかなどを実際に調べてみて、本格的な再整備を行う前に課題をあぶり出そうというものです。

「ときわいこっと。」が初めて行われたのは2021年のことでした。
初回は2日間だけの開催でしたが、「ときわいこっと。2」からは開催期間が約1か月間に拡大。
2023年は9月23日から10月22日の期間で「ときわいこっと。3」が行われました。

▼国道190号(常盤通り)のウォーカブル化|宇部市公式ウェブサイト

▼ときわいこっと。2023 | 山口県宇部市常盤通りで開催。おしゃれなストリートフェスティバル -

▼Walkabilityの概念整理と日本での適用に向けた課題に関する研究

▼国土交通省 WALKABLE PORTAL(ウォーカブルポータルサイト)

宇部市の「ときわいこっと。3」に伴うグリーンスローモビリティ

この記事が解説するグリスロは、「ときわいこっと。3」に合わせて宇部市で運行されたものです。

ルートは「ときわいこっと。」の開催場所であるボスティビルド付近と、少し離れた位置に点在する駐車場とを結ぶものであり、シャトルバス的な側面が強いものでした。

運行ルートと停留所


運行ルートは以下のとおりです。

  1. ボスティビルド付近にある「新天町東停留所」を出発点として、国道190号線を横切り寿橋通りまで直進する。
  2. 左折して寿橋通りをしばらく宇部新川駅方面へ進み、西中国信用金庫宇部支店手前で左折、1個目の停留所である「⻄中国信⽤⾦庫停留所」に到着する。
  3. ⻄中国信⽤⾦庫停留所から発車後は直進を続けて、突き当りを右折して宇部市役所の横に出る。
  4. 再び国道190号線を横切り、新天町の商店街のアーケード西端にある「FMきらら停留所」に到着する。
  5. 新天町のアーケードと並行する南側の道路で南東方向へ進む。
  6. ボスティビルド付近で左折して「新天町東停留所」に戻る。

停留所は以下の3つです。

  • 新天町東停留所
  • ⻄中国信⽤⾦庫停留所
  • FMきらら停留所

なお、現地での案内(看板の表記)は「停留所」ですが、「ときわいこっと。3」の公式Webサイト上では「乗降場所」という表現になっています。

運行日

「ときわいこっと。3」は平日も開催されますが、グリスロは土日祝だけの運行です。
具体的には10月1日(日)から10月22日(日)までの8日間だけでした。

グリスロ本数と運転時刻と運賃

始発停留所基準で始発グリスロは10:00発、終グリスロは16:40発で、1日に計18本が運行されます。
全て20分間隔で運行されますが、12:50から14:00までは運行を休みます。
運賃は無料でした。

車両


ヤマハ発動機「YG-ML」1台によって運行されます。
ナンバープレートは「山口502ち7847」です。

乗車感想など

私は運行開始初日の初便(10:00発)に乗りましたが、初便の乗客は私1人だけでした。

何か新しい乗り物が運行開始する際には、運営側はサクラの乗客を用意することがありますが、今回の「ときわいこっと。3」に伴うグリスロにはマスメディアの取材が来なかったため、そのような用意をする必要がなかったのでしょう。

初便から降車後、グリスロの走行シーンをカメラで撮っていましたが、意外と乗客が乗っていました。
常に満席とはいかないものの、乗客がいたのです。

乗客の年齢層としては、私が見ていた限りではお年寄りの方々や子供連れの方々が多い印象でした。
体力が比較的少ない方々を運ぶことは、グリスロの存在意義の1つと言えます。

グリスロは全国的に導入が進んでいますが、宇部のグリスロの課題としては、目的地となるような沿線施設の不足と知名度の低さが挙げられるでしょう。

沿線施設の不足、特に商業系については徐々に対策(出店に対する補助金)が進められているところではありますが、グリスロ自体の知名度の低さについては、あまり対策が行われていないのが現状です。

「ときわいこっと。3」に伴うグリスロですが、宣伝は宇部市と「ときわいこっと。3」のWebサイトなどにおいて、「ときわいこっと。3」のおまけ程度の扱いのみ。

せっかく宇部市と「ときわいこっと。3」運営は自前でSNS(Instagram)を持っているのですから、SNSでもグリスロの運行を宣伝することが望ましかったことは間違いありません。

また、今後のグリスロ車両の扱いも気になるところです。
実はもともと、宇部市ではグリスロの定期運行をしていたのですが、乗客が少なすぎて廃止にした過去があります。

その時に運用されていたグリスロ車両が、今回のグリスロ車両であるわけですが、前述したように、「ときわいこっと。」はあくまでも常盤通りのウォーカブル化に向けた社会実験です。

常盤通りの再整備が終われば「ときわいこっと。」が行われなくなることも想像できます。
せっかく車両を購入したわけですので、何か有効な使い道があるといいですね。

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~ おわり ~

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